2020年01月23日

「観察のなかで、……」 その1

 『境界を超える英知  人間であることの核心』 J•クリシュナムルティ著・吉田利子+正田大観共著・(有)コスモス・ライブラリー2017年 発行者 大野純一

 P133~ 観察のなかで、人は自由の欠如を発見し始める


 

 わたしたちの最大の問題の一つは、自由とは何かを知ることであり、この問題を理解する必要性はきわめて大きく、絶えることなく続いているはずです。というのも、非常に多くの専門家たちからの非常に多くの宣伝活動もあれば、非常に多くのさまざまなかたちの外や内に向かう強迫衝動もあり、さらには、矛盾する説得や印象などのあらゆる混沌があるからです。わたしは確信しています。わたしたちは自分自身にこう問いかけなければならない、すなわち、自由とは何か、と。

 そして、みなさんもわたしも知っているように、世界のいたるところで権威主義が広がっていますーー政治的、社会的、経済的レベルだけでなく、いわゆるスピリチュアルなレベルでも同じです。


 いたるところで、周りからの強烈な影響があります。新聞は、わたしたちが何を考えるべきかを示します。五年、十年、あるいは十五年計画といったものがたくさんあります。それから、経済や科学の、官僚レベルの専門家たちがいます。日常活動では、わたしたちが何をすべきで何をすべきでないか、といったありとあらゆる伝統があります。いわゆる聖なる書物の影響全体として。

 そして映画があり、ラジオがあり、新聞があり、世界のすべてが、わたしたちに何をすべきか、何を考えるべきか、何を考えるべきでないかを指示しようとしています。自分自身で考えることがいかに難しくなりつつあるか、 みなさんが お気づきかどうかわかりませんが ! わたしたちは、ほかの人たちが言うこと、あるいは言ったことの引用にすっかり熟練しています。



 この権威主義的な渦のただ中の、どこに自由があるのでしょう?
 そして、わたしたちは、「自由(freedom)」という言葉で、何を意味しているのでしょう?自由などというものがあるのでしょうか?

 わたしは「自由」という言葉を最もシンプルな感覚で使っており、そこには、解放(liberation)も、解放された自由な精神も含まれています。




まず第一に、わたしたちの精神が現実には自由でないことを自覚しなければならない、とわたしは考えます。わたしたちが目にするすべてのもの、抱く思考のすべてが、わたしたちの精神を形づくります。いま、みなさんが何を考えているにしても、過去に何を考えたにしても、未来に何を考えるにしても、そのすべてが精神を形づくります。みなさんは、宗教家や政治家、学校の教師に言われたこと、あるいは、本や新聞で読んだことを考えます。みなさんの周りのすべてが、みなさんが何を考えるかに影響を与えています。みなさんが食べるもの、見るもの、聞くもの、妻、夫、子ども、隣人、すべてが精神を形づくっています。これは、相当に明白なことだと思います。

みなさんが、神は存在する、あるいは存在しない、と考えるときでさえ、それもまた、伝統の影響を受けています。ですから、わたしたちの精神は、多くの相反する影響が互いにぶつかりあっている場なのです。
posted by 無来 龍 at 10:00| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする